レッスンの中で、子どもたちに「どうしたい?」と聞くことがあります。
でも、多くの子はすぐに答えられません。
それは、まだ「自分の声」に耳を澄ます経験が少ないから。
例えば、
大人の生徒もこどもの生徒も、発表会の曲選びで迷うことは同じ。
「難しそう」「でもやってみたい」「でもちょっと不安」
気持ちが揺れているのが伝わってきます。
ですから私は、焦って結論を出すのではなく、
「自分がどう感じているか」を言葉にする時間を持ってもらいます。
「好きだと思ったところはどこ?」
「弾けたらどんな気持ちになりそう?」
すると、しばらく考えてから少しずつ言葉が出てくることもあります。
「ここがかっこいいと思った」「こんなふうに弾いてみたい」そんな対話を通して、少しずつ「自分の声」に気づいていく姿を共に過ごします。
と思うのです。
このことは、ピアノ教室だけでなく、教室運営やビジネス、
そして日常のリーダーシップにおいても共通していると感じています。
たとえば、ある女性起業家とのセッション。
サロンを経営しながら、複数のスタッフを抱える立場にある彼女は、
「みんなにもっと自主性を持ってほしいけど、結局私が全部決めてしまっている」と話していました。
私は尋ねました。
「『全部決めてしまっている』とき、あなたはどんな気持ちでいますか?」
しばらく沈黙のあと、
「…不安なんです。任せてうまくいかなかったらどうしようって」
という言葉が返ってきました。
そこからの対話では、「どうすれば安心して任せられるか」ではなく、
「自分が本当に望んでいる『任せ方』とは?」を一緒に探りました。
それまで彼女が抱えていた「指示が足りないのか」「スタッフが育たないのか」という悩みは、
実は「自分の声に耳を傾けていなかったこと」と繋がっていたのです。
もう一つ、別のセッションでは、
ある経営者が「マネジメント層がいない。誰にも任せられない」と語っていました。
「スタッフは専門職で、自分とは考え方が違う」
「何をどう伝えたらいいか分からない」
そこで私は、こんな問いを投げかけました。
「あなたは、どんなリーダーでありたいですか?」
「スタッフは、あなたの想いやビジョンを、あなたの言葉で聞いたことがありますか?」
この問いがきっかけとなり、その経営者は「自分自身の声」を取り戻していきました。
「どんな行動をすればいいか」を考える前に、「自分がどんなリーダーで在りたいか」を思い出すこと。
この順番の大切さを、セッションのたびに感じます。
すぐに答えを出すことが求められる場面はたくさんあります。
でも、「正解」を出すことと、「自分にとっての納得のいく答え」を見つけることは、時に違います。
自分の声に気づく時間があってこそ、
選んだ道を自分の足で歩いていけるようになるのです。
この文章をここまで読んでくださったあなたが、
もし今「なんとなくモヤモヤしている」「自分がどうしたいのか分からない」
そんな状態にあるとしたら。
それは、「まだ言葉になっていない大切な声」が、あなたの中にあるというサインかもしれません。
コーチングでは、その声を一緒に見つけて、言葉にしていくお手伝いをしています。
まずは、安心できる場所で、ゆっくり話してみませんか?
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未来デザインコーチング チェーロリッコ
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