「キャリアは長さではなく、想いの深さで語れるもの」— 女性経営者としての歩み

キャリアは、ただの年数や肩書きではありません。

ラテン語の「currus（車輪のついた乗り物）」を語源に持つキャリアは、本来「轍（わだち）」を意味します。

つまりキャリアとは、誰かと比べる数字ではなく、歩んできた道に残る“想いの跡”なのです。

女性経営者である私たちは、常に二重三重の役割を担っています。

経営者であると同時に、母であり、妻であり、ひとりの女性でもある。その中で、仕事に時間を注げば「家庭をないがしろにしている」と言われ、家庭に比重を置けば「本気じゃないのでは」と思われる。

つまり、女性経営者として、家庭と仕事の狭間に立たされることがあるのです。

私自身も、家族から「好きなことをしているだけなのでは」と受け止められ、心が揺れることがありました。けれど、経費を払いながら一人で立ち続けてきた年月や、叶えられることはなかったですが赤ちゃんを抱えてとある専門学校の講師職の試験会場へ向かった日々や、コーチングを学びながら少しずつ仕事に変えてきた歩みは、確かに私の轍です。

周囲から理解されにくい瞬間も、挑戦を続ける中で刻まれてきた大切な「想いの跡」なのだと思っています。

失敗や誤解、葛藤さえもがあなたの轍になります。

それは、リーダーとしての強さやしなやかさに変わっていくのです。

今日という一日も、あなたのキャリアに新しい轍を刻んでいます。どうぞ「長さ」ではなく「深さ」で、自分の歩みを誇りとして語ってください。